先生のコラム

呉育誠呉育誠 鍼灸師
昭和24年生。
6歳から医学を学び、中国では10年以上の臨床実績を持つ。
昭和62年来日。
平成11年 日本での鍼灸師免許を取得し、世明堂鍼灸院を開業。
以後、東洋医学の副作用のない、効果ある自然の治療を実践している。

■こりは万病の元


中国何千年の歴史の中で培われた中国鍼灸は、漢方医学の中での整形外科にあたり、レントゲンのない時代からすべて手の感覚で病状を診断、治療してきました。
私は6歳から鍼灸師と漢方医学の整形外科医であった父親から医学の基礎を指導され、20年を過ぎた頃には、手の感覚が非常に敏感になり、その後30年以上の間に万を超える患者さん達に臨床しました。その結果、肩こり・腰痛などの症状は背骨の皮膚表面を押さえると、背の筋肉の一層一層にこりの固まりが存在していることを発見しました。
この多くは、大抵疲れ過ぎか、不良な生活習慣で廃物が溜まり形成されます。
こりの固まりは、表面では鉄板のようにパンパンに腫れ、奥部には釘のような形で骨の間接に入り込んでいきます。
こりの固まりは、首と腰の椎間間接の神経の元を圧迫されると、しびれ、痛み、だるいなどの症状が現れます。
こりそのものはレントゲンに映ることはなく、治す方法がわからない場合が多く、中国では「患者さん腰痛、医者さん頭痛」と言う言葉があるほどです。

よく見られる椎間板ヘルニアや脊椎閉鎖症は、こりの原因も多く、脊椎の左右の筋肉の片方にこりが出てきたら、
こりの出た方の骨の間隔が広がり、椎間板はそれに沿ってずれてきます。
そこでこりをほぐすと、椎間板は元の位置に戻るという例はたくさん見られています。
脊椎閉鎖症は、レントゲンとMRIの写真を見れば、脊椎の骨の距離が狭くなっているのが分かりますが、骨が神経に直接当たっているケースは滅多に見られません。
直接の原因は、狭い骨の間に釘のようなこりが入り込んで起こる場合が多く、そのこりをほぐすことによって、閉鎖症も楽になります。
こりはまた、血の循環の道にも存在します。どんな組織と臓器でも血の循環の道を持っており、例えば、肩は、首から肩・ケンビキ・背中・腰までの起立筋にあります。
肩こりがひどい場合はこのあたりの起立筋もこっています。中心が固く長いこりのかたまりが出来ていて、押さえるとコリコリしています。肩の血の循環の道のこりをほぐすと、肩こりの廃物がこの道を通って腎臓を経て尿に排泄され、肩こりも楽になります。
同じ原理で、心臓の循環の道のこりをほぐすと、心臓の病も回復します。
ある60代女性は、ひどい不整脈、狭心症で、伝統鍼灸治療を受けたところ体調が整い、
17時間もかかるニューヨークまでの旅行をされたという嬉しい話を聞きました。
中国伝統鍼灸は様々な内蔵の病気や自律神経失調症、アトピーなどにも効果的です。
世明堂に先祖から2百年にわたり伝えられる効果のツボはすべて神経の元と血の循環の道にあるこりです。人の病気時のこりの現象は、ツボ表面ではなく奥部の変化が見られますが、これは鍼灸の歴史から見れば新しい発見になります。

■中国伝統鍼灸

本来の中国伝統鍼灸は、鍼と灸をする文字通りの鍼灸治療です。

もぐさの熱エネルギーが鍼に沿ってこりのもとを直接温めていくので、ひどいこりでも一回でほぐされます。
実例として34歳の男性ですが、椎間板ヘルニアで膀胱傷害を起こし、手術したものの治らず管をつけて排尿されていたところ、伝統鍼灸の数回の治療で、管を外して排尿できるようになられました。
奈良県五條市に住む、中西さん(80歳)は、脊椎閉鎖症のため寝たきりで、別の30歳の女性は、出産時の産道圧迫による顔面神経マヒの治療でこられましたが、お二人とも伝統鍼灸治療を受けになった今では、すっかり生活を楽しんでおられます。
脳溢血、脳梗塞によって、半身不随と小児麻痺の症状には、直接神経を刺してやると神経の伝達は電気のように走り、動かなくなった手足が動くようになり、今から30年ほど前、上海で10年来小児麻痺の患者さんが、動かない右足の大腿神経の元に1本針を施すと足が上がったことがありました。
鍼は大脳の効能も回復することが出来、半身不随の男性に施術したところ、忘れていた4億の預金を思い出したということもありました。
世明堂鍼灸は、気功の原理を応用し、痛みは全くないのが特徴。鍼も使い捨て、一人一人新しい針です。